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吉原細見序文 天保十三年(1842)

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読んだ本 https://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/wo06/wo06_01531_0005/index.html      (PDF)

 

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あすもこん 野路の玉川萩越て 色なる波に月やどりけり

それは近江路これは又 君にあふみぞあすもこん 仇な色

なる波まくら 萩の錦は三つ蒲団(よるもの) 床(とこ)なつかしき撫子も

葛の葉のうらみをかこちて 朝顔の はかなき別れを

惜(をし)む 招く尾花のてくだあれば藤袴 ぬしなきを歎く

ものなし 處(ところ)せきまで 栽(うつ)し植たる女郎花(をみなへし)も はやく

此地(このつち)に馴染(なじみ)を重ね 菊の籬(まがき)のうつろはずして

実(げ)にふりし世を見帰りの 柳の衢(ちまた)五つ葉の 松吹(ふく)

風も萬世(よろづよ)を 謡(うた)ひはや(囃)せや仲の町(ちょう) 此時にあへらむ(出会う)

ものはこれを悦(よろこ)む 此廓(さと)に通(かよ)はんものは 今をしのば

ざらめかも

   寅の初秋    六朶園しか云ふ

 

 

 


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