読んだ本 https://www.wul.waseda.ac.jp/kotenseki/html/wo06/wo06_01531_0001/index.html
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花の雲の仲の町には よし野のはるも
はなしろみぬらむ 高どのゝ月見には姥捨(おばすて)山も
ひたいをかくべし まことやあまたの天女が霓裳(げんしやう)
羽衣(うい)もいまめき(支)て 糸竹(いとたけ)の跡もあらたまりて
春の色香をあらそふけしき これたのしみの
天上界 さるをうつしゝ婦美(ふみ:文?)なれば 見たらむ
人のこゝろさへ 久堅(ひさかた)の空になりて 長いきや
せむずらんと 五葉の松のはしつかたに いはひの
こゝろをそふるになむ
文政三年 辰の春 橘樹園早苗しるす